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貝と糸 [海辺]

CA391864.JPG刺身や寿司ネタで、平貝というホタテのような甘くて大きい貝柱がありますが、あれはタイラギという砂地にいるハボウキガイ科の貝です。有明海などが有名な産地で(水門を閉めたあと漁獲高が激減してしまいましたが)たまに魚やさんで30センチはゆうにある大きな羽箒のような黒光りする二枚貝を見ることもあります。これは荻窪タウンセブンの貝屋さんで生きているものを買って、おろして食べたタイラギを標本にしたものです。黒いなかにもカラスのように七色~金色の光を放って綺麗です。

私は貝殻を拾ったりして集めるのが趣味の1つなのですが(詳しくはないのですが)、中でもこの仲間は好きです。

CA391867.JPGこれはその昔フロリダのアン・リンドバーグが貝拾いをした浜辺で拾いました。15センチくらいです。英語ではこの仲間はpenshellといって、羽根ペンに例えているようです。種類ははっきりしないのですが、たぶんfrajailpenshellというものではないかと思います。早朝、遠浅の砂浜で潮がひいてゆく中、薄くて繊細なもろい貝殻が無傷で斜めに砂浜に刺さっていました。まるでつい今しがたまで海の中で誰かが手紙でもしたためていたかのようでした。

これは中身が死んでしまった抜けがらで、たまたま砂地に刺さっていたのですが、本来生きている時も、海底で砂地に同じように細い方を下にして立ち、体から分泌する足糸という糸を互いにからめたり、小石や岩や海藻などに巻きつけたりして姿勢を維持するそうです。このあたりの生態はレイチェル・カーソンの「海辺」の中で紹介されており、興味深いです。

この本には、さらにイタリアのタラントという世界史で覚えた記憶のある地で、巨大なこの貝の仲間で60センチ以上あるgiantpenshellという貝の足糸は黄金色に輝き、この糸でハンカチなどの生地を織って、土産物になっているというような記述があり、私は以前ここに夢中になりました。その生地は柔らかく指輪の穴もするりと通るそう。いつか行ってその生地を見てみたいと思って調べていたのですが、タラントは今はさびれた港町で、そのような土産物や工芸が残っているかはあやしいということがその後いろいろ調べてみてわかりました。貝そのものは、まだあるようで、翻訳もされている欧米の図鑑にも紹介されていました。

CA391866.JPGタイラギを貝屋さんで購入したのは、貝殻も欲しかったのですが、この足糸を見たくてというのがありました。なるほど体からひと掴みできる束になって、黒いつやつやした細い糸が無数に伸びていました。そして、それを切り取って光にかざすと、貝殻同様に黒の中に金色を帯びた輝きが見えました。タラントのものはこれが全部金色なのかしら。残念ながら、これを集めて布を織る技術も費用も無いのでそのままなるほどと思って終わったのですが、誰かに試してみてほしいものです。

 

CA391868.JPGこれもその仲間。デパートの沖縄物産展の貝がら屋さんで購入したものですが、種類は不明。透きとおったはちみつ色で10センチくらい。図鑑はいろいろあるのですが、いまいち同定は苦手です。

 

 

 


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